つぶやき。

都内某大学に通う医学生。考えたまま書きます。

新しい生活様式を自ら生み出そう

発生から7ヶ月。未だに感染拡大は止められず、東京も1日数百人の感染者が連日確認されており、完全な第2波の到来とも言えるでしょう。

日本では感染者が4万人を超え、世界では1800万人の感染がこれまで確認され、死者は世界で69万人と三大感染症マラリアの年平均死亡者を超えました。

パンデミックが始まってから半年、未だに不明なことが多い新型コロナウイルス。第1波が過ぎ去り緊急事態宣言が解消されてから、我々の新型コロナに対する恐怖や不安は個人差がかなり広がってきたと思います。

 

今回、私が伝えたいこと。それは未知のものに対して正解はないということです。

学問なら何でも、発見・開発されるまでは正解を探し求めます。何も分からないことに対して正解の答案などありません。

ただ人間はどうしたら正解に辿り着けるかは考えることができます。

私も一応医学を4年間学んできましたが、未知のウイルスに対して何か革命的な発見をすることなど到底できません。しかし、これまでの様々な情報から正解にたどり着くための発想ならできます。これは医学を全く知らない素人でもできることです。

 

まずはこれまで判明した事実と基礎知識だけまとめます。

・今回のウイルスはコロナウイルスという種類で、SARSやMERS、そしていわゆる風邪の原因となるウイルスの25%と同じ種類である。

SARSの死亡率は約10%、MERSの死亡率は約35%。新型コロナウイルスの死亡率は日本ではこれまでのところ数%。世界的に見てもSARSやMERSほどの死亡率は高くない。

・一方感染率はSARSの感染者が約8000人、MERSの感染者が約2000人、に対して新型コロナウイルスの感染者は現段階で1800万人で感染力は圧倒的な強さ。

・感染様式は飛沫感染接触感染の説が有力。空気感染の可能性は低いと考えられている。

・最も初期症状の近いインフルエンザと比べると、日本のインフルエンザの年間罹患者数は約200万人、致死率は0.001%で高齢者の致死率は0.03%。新型コロナウイルスでは日本で致死率約4%であるが、80代以上で28%、70代で14%とSARSやMERS並みに高いが、30代以下の致死率は0.1%と年齢別で差が大きい。

・ウイルス感染後は体内に抗体(獲得免疫)が産生され、再度ウイルスが体内に侵入しても感染しないように防御する機能があるが、新型コロナ感染後約数ヶ月でその抗体が既に消えている人もいる。一般的な風邪の原因となるウイルスに対する抗体の保持機能は約1年と言われている。つまり抗体維持力は風邪のウイルスと大差ないと考えられる。

・肺炎といえば、肺炎球菌などの細菌感染による定型性肺炎と、ものが気道に誤って入ってそこから炎症を起こす誤嚥性肺炎が有名。肺炎は日本でも未だに死因第5位に必ず入るようなポピュラーな疾患だが、このほとんどの死者は高齢者で若者が肺炎で死亡することはほとんど稀。

 

さてここまで確認していくと、今回の新型コロナウイルスがどれだけ厄介かが分かりますよね。

一般的に致死率が危険な感染症はそれほど感染力が強くなく、致死率が低い感染症(風邪や季節性インフルエンザ)は感染力が強い。しかし、新型コロナは致死率がある程度高い割に感染力もかなり強い。感染力の強さがどれだけかは数値的に出ているわけではないですが、あれだけクラスターが発生しているということはある程度強い感染力を持っているはずです。皆さんもこれまで一緒に会食してた人がインフルに感染していて、自分を含めその会食に参加してた数名も感染してしまったなんて経験があると思います。私はインフルエンザと同じくらいの感染力、あるいはそれ以上の強さはあると推測しています。

 

小池都知事のいう「with コロナ」の時代。どのように注意していくべきか。

感染症で一番手っ取り早いワクチンも、日本で接種が一般に開始されるのは早くても来年でしょう。ちなみにSARSやMERSなどのコロナウイルス系のワクチン開発はこれまで成功例はありません。実は未だにMERSのワクチンは開発されていないのです。まあ需要がなかっただけかもしれませんが。(SARSは既に根絶されていますがMERSは今でも少数ですが感染例があります)

少なくともあと半年はこの感染症と戦っていく必要があります。いつまでも自粛を続けていたら経済が回らないし、過度な自粛は経営がうまくいかなくなった人々を自殺に追い込みます。コロナでの死者を1000人に抑えられても、コロナ関連の自殺や、検診に行かないことで起こる癌の発見遅延による死亡者が著しく増えたら、それは結果的にマイナスかもしれない。

 

第1波の収束から、何も考えずに歩き回る若者が増えた気がしますが、本当にこのウイルスの怖さを知らなすぎます。若者でも感染したら1000人に1人死にます。感染力を同程度とすれば、リスクは単純計算でインフルの100倍です。しかもインフルはワクチンを打てます。コロナにワクチンは今のところありません。インフルより数百倍やばい感染症が流行っているのに何も対策をしないのはハッキリ言って自殺行為です。それか相当なドMか。

もし自分が感染して、高齢者にうつしてしまえば、その高齢者は2割の確率で死にます。高齢者と一緒に暮らしているということは、自分が感染したら2割の割合でその家族は死ぬし、高齢者が多いような職場で働いているなら、その職場の高齢者は2割死にます。

 

私も普段から週に3回は飲みにいくようなアウトドアな人間です。自宅なんてコロナが流行る前までは寝るだけの場所同様でしたが、この4ヶ月間他人との会食なんて1回もしてません。ある意味幸運なことに私にとって今年の上半期は試験オンパレードで勉強が忙しいというのもありますが、それを考慮しても外出頻度は本当に低いです。試験が落ち着いたら自分なりの感染対策で外出しようと思っています。飲みにも行きたい。

飛沫感染であることを前提に言えば、会食だって、対面で座らず横並びで、食べている間は無言、食べ終わってからマスクして横で話す分にはそこまで感染リスクはないはずです。

その根拠に、あれだけ自粛期間中バッシングを受けていたパチンコ屋でクラスターってこれまで報道されてますか?

私はパチンコやったことないですが、多分パチンコ屋で喋りながら打ってる人は少ないでしょうし、パチンコは考えてみれば横並びですよね。

例えば友達と3人でご飯に行って、カウンターで横並び、食べている間は無言、食べ終わったらその横並び状態でマスクして話すなんて、なかなか変な光景だし、側から見れば違和感しかないですが、これが今の時代のスタンダードになれば良い。

カラオケだってマスクしてフェイスシールドつけて歌えば、感染リスクはほぼないでしょう。なんか恥ずかしいかもしれないですが、それがスタンダードになればいい。

 

これまでのスタンダードを変えるということはかなり抵抗があることは確かです。人間なかなか変化を受け入れられない動物です。

でも今回の流行でマスクはかなり風変わりしましたよね。手製のマスクもこれまではちょっと恥ずかしかったけど、今は様々なタイプがオシャレとして受け入れられてます。(アベノマスクはあんまり浸透しないけど笑)

 

コロナが流行り出してから半年。収束する見込みは未だありません。

国に文句ばっかり言っても別に収束するわけではありません。

健康に生きていくためにも、私たちは自分で考えて、変わりゆく時代の流れに対応していくのが、今もこれからも最善だと私は思います。