つぶやき。

都内某大学に通う医学生。考えたまま書きます。

プロセスを大切に、、、

皆さまお久しぶりです。

梅雨の曇り空が続いて何もかもやる気が出にくい時期ですよね。

受験生も春の模試が終わり、まもなく夏休み。

どうしても現実が見えてきてかなり悩む時期だと思います。

 

志望校を落とそうかな、

どうしたら成績が上がるだろうか、

このままで本当に大丈夫なのだろうか。

 

 

今日はそんな悩める受験生に向けて、この夏休みを成功に導ける方法をお教えします。

 

さて、私はとある塾で中学生を中心に講師をしているわけですが、先日中間試験がありまして、中間試験前に「100点を一科目でも良いから取ってきて!」と伝えました。

結果的にそのノルマを達成できた生徒は残念ながら1割にも満ちませんでした。

私からするとこれは予想通りの結果であり、数人の生徒が100点を取れたことに驚いたくらいです。

 

残りの9割の生徒たちのうち、ある成績優秀な生徒にこんな質問をしてみました。

私「次の試験の目標は?」

生徒「1科目で良いから100点を取ります!」

私「どの科目なら取れそう?」

生徒「んー、苦手な数学では望めないので、得意の英語なら取れるかもしれないです。」

たしかにこの生徒の英語の点数は94点で、他の科目より期待はありそうです・・・。

私「じゃあ英語で100点取るためにはどうすれば良い?」

生徒「(沈黙・・・)。勉強します・・・。」

 

塾に通う子どもたちのほとんどから同じような回答を得ました。

つまり

彼らは目標を掲げることはできるけど、その目標のために何をすれば良いのかを考えていないのです。

 

この生徒が次の英語の試験で100点を取るために最初にやらなければいけないことは、勉強ではありません。

重要なのは、100点を取るために何をすれば良いのかを考えることです。

 

多くの学校の先生方は、試験で100点を取るような生徒が10人も20人も出るような問題は作りません。せいぜい

1人か数人くらい。簡単な試験を作って平均点が異常に高くなったら、他の科目との兼ね合いがつかなくなりますからね。

その数人という狭き門にたどり着くのはそう簡単なことではないでしょう。

普段の授業でボソッと言ったことを出したり、教科書の中で生徒たちが絶対確認しないようなところから1問出してみたりして100点を阻止します。

 

では100点を取るためにこの生徒がすべきことは、

1.普段の授業で先生が言ったこと、黒板に書いたことを隅々までメモする。

2.教科書やプリントを隅々まで読み込み頭に入れておく。

ということになります。

 

これはほんの一例であり、この生徒は今回の試験5科目(国数英理社)ですべて80点以上を取って来れたのでこのような内容を伝えましたが、

もちろん、60点台とかがあったら別ですけどね。

 

今の例は学校の試験で100点を取るということだけに絞りましたが、こんな例ではどうでしょうか。

 

中3女子

第一志望の高校の合格水準(B判定)偏差値65

今回の模試の偏差値58でD判定

偏差値65まで5科目500点満点であと50点(合計395点)。

英語90点、数学75点、国語65点、社会70点、理科45点(偏差値48)、合計345点。

この時期の受験生の典型パターンで、日頃から勉強してきた国数英はまあまあだけど、サボってきた理社はボロボロ。特に理科は論外。

 

この生徒にも同じ質問

私「次の模試でB判定を取りたいね。どうしようか。」

生徒「勉強します」

私「どのように勉強しようか?」

生徒「とりあえず理科やります」

私「理科何点取る?」

生徒「理科の偏差値55まで上げたいです」

私「理科の偏差値55は点数でいうと何点?」

生徒「・・・。わかりません」

たしかにこの生徒の理科はかなり足を引っ張っており、理科の成績を上げるのは必須です。

ですが、理科を何点上げられるのかも分かっていないし、どうすれば理科の成績が上がるのかも分かっていません。

次の模試までに偏差値65に上げるためにはあと50点必要です。

ここからは会話形式で見ていきましょう。

私「模試の資料を見てみると理科の偏差値55は今回の試験で60点だね。ということはあと15点だ。」

生徒「60点なら勉強すれば取れそうです。」

私「本当に?じゃあ理科をどうやって勉強するの?」

生徒「・・・。勉強します」

私「答えになってないわ笑。理科の各大問ごとの点数を見てみよう。大問3の生物範囲は満点でよくできてるけど、大問4の物理範囲が0点だ。物理系は苦手?」

生徒「物理は本当に苦手です。」

私「じゃあ物理の大問で25点中10点でも取れるようにしよう。あとの5点は生物以外で頑張るしかないね。生物は現段階で満点だからこれ以上上げられないよね。これを維持しよう。」

生徒「はい、わかりました。物理の補講をお願いします!!!」

私「そうだね、明日から始めよう。さて、理科で15点上げても残り35点上げないと少なくとも偏差値65にはならないね。残りの科目で各科目10点は平均でアップしたいところだけど・・・。」

生徒「そう思います。」

私「本当にそう思うの?英語は今回の点数が90点だから、10点上げると100点を取るしかないね。」

生徒「そうです・・・。」

私「英語で90点を100点にするのと、数国社で各科目10点強上げるのはどっちの方が簡単だと思う?」

生徒「もちろん後者です」

私「当たり前だよね。じゃあ英語は現状維持で次回も目標は90点。国語は漢字と古文が取れてないからそこで15点アップを目指そう。現代文は現段階で結構点数取れてるし、上げるのが難しそうだからね。あとは数学と社会で10点ずつ。数学は関数が苦手なようだから関数を中心に、社会は地理がボロボロだからそこを中心に進めれば行けそうじゃない?」

生徒「はい!おっしゃる通りです。同じ10点でも得意なものよりも苦手なものの方が簡単に上げられそうですもんね。」

私「ようやく気づいたか。頑張っていこう!」

 

合計で395点がボーダーということは全科目で79点あれば間に合います。けれども395点の取り方は全科目79点でなくても良いですよね。極端な話、理科以外全科目100点で理科0点でも合計400点で合格です。

実際、8割合格の試験があって全科目8割くらいなんて人はほとんどいません。たぶん全科目8割取れる人は、そのうちの数科目で9割以上取っており、全体で85%以上取っていると思います。

目標は合格することであり、全科目合格点に達することではありません。合計で合格点に達すればいいのです。

何度も言う通り重要なことは、合格するために今自分が何をすべきなのか考えること。それが合格への近道だと私は強く思います。

 

これは受験に勉強に限った話ではありません。仕事でも恋愛でもなんでも、プロセスがしっかりとエビデンスのあるものでなければ失敗します。

 

今年の夏は、何事にも目標をもち、その目標達成に対するエビデンスのあるプロセスを持って、全力で打ち込んでみてはいかがでしょうか。

令和初の夏休みが、読者の方々にとって素晴らしいものになりますよう、心より願っております・・・。